広告、売り上げ、薬機法

投稿日:2017年11月20日

カテゴリ:事務所ブログ

老舗医薬品メーカー、太田胃散が、薬機法違反で措置命令を受けました。その影響というわけでもないのでしょうけれども、最近薬機法と広告表現規制に関するお問い合わせが増えています。

よくありますね、「使ったら体重が減りました」「ウェストが細くなりました」という体験談。体験談は「個人の感想です」と注意書きを付ければ何でもいいというものではないし、ビフォアアフターの写真だって規制の対象になります。

サプリメント(健康食品)において、消費者にダイレクトに訴求する広告を打とうとすれば、必ず薬機法の問題が出てきます。事業者さんは当然、売り上げを上げたい!と願う。効果的に消費者に訴える宣伝広告を打つためにカネを使っているわけです。しかしどうしても薬機法の問題が出る。弁護士に聞くと、「あ、それはダメですね」「ではこの表現では?」「それもだめです」「じゃあこれは?」「うーん、それも…」となると、「先生に聞くと、何をやってもダメって言われる」「じゃあ我々は、どうやって売上を上げればいいんですか!」ということに、なってしまいます。

ご相談を承る我々としても、お客様のお気持ちはよくわかります。なので、知恵を絞り頭を寄せ集めて、何とかして、安全で、お客様のお役に立つキャッチコピーはないものか、何かご提案できないかと考えます。「この表現はダメです。変えてください」で突っ返しては、お客様が困るだけです。「この広告はここがこういう理由でダメなのですが、では、こういう表現はどうでしょうか」「こういうアプローチは考えられませんか」など、何らかの代替案を提示したいのです。お客様のビジネスモデルを否定するだけではどうしようもありません。顧問弁護士は、単にリーガル面を確保するだけではなく、お客様のビジネスを理解し、ビジネスにとって役に立つ、積極的な意見を言える存在でなければならないと、私たちは考えています。

売上を上げたい、効果的な宣伝広告を打ちたい。それはごもっともなのですが、宣伝広告の打ち方ひとつで、措置命令や逮捕ということになってしまえば会社の存亡にかかわります。せっかく御社が今まで安全に販売してきた他の商品も、一つの商品のおかげで台無しになってしまう、そのようなことはあってはなりません。

「ほかの企業だってこれくらいの広告は出しているじゃないですか」とか、そういう問題ではないのです。せっかく当事務所にご来所いただいたお客様には、安全に、安心して、繁栄していっていただきたい。そのための、ベストパートナーでありたい。

わたしたちは常に、そう願ってアドバイスをさせていただいております。お客様のビジネスを、ご一緒に考えていきたい。ご一緒に歩いていきたい。それができれば、これに勝る幸せはありません。