将来を見据えたM&Aのために その3

投稿日:2017年1月21日

カテゴリ:事務所ブログ

次に指摘しておきたいことは、契約書の重要性です。契約書はM&Aの命です。必ず、トップ自らが理解し、納得したものでなければなりません。
M&Aの契約書は、株式譲渡契約書、営業譲渡契約書、株式移転契約書、合併契約書など、いろいろな形式をとります。基本的には、この契約書の記載内容が、M&A後の企業体の運命を大きく左右します。
両当事者における、代表者の処遇。株主の扱い。株主名簿や印鑑、通帳はだれがどこでどう保管するか。本店所在地をどこにおくか。経営方針をどうするかなどは、契約書にきちんと盛り込むことが大切です。「交渉の経緯において、そういう話になっていた」というだけでは不十分といえます。また、相手にどのような表明保証を求めるか、表明保証違反があった場合のサンクションをどうするかなども、しっかり考え、相手に求めていく必要があります。
契約書は、それぞれの企業さんの夢、企業の未来の設計図です。どのような夢を目指して会社を経営してくのか。M&Aを通じて、どのような未来を作っていくのか。それが、すべてここに書き込まれます。逆に、ここに書き込まれなかったものは、作られないのです。
相手が提示してきた契約書は、特に注意深くチェックしましょう。相手が、或いはコンサルが、大企業だから、有名なところだから、変なものを出してきたりはしないだろう…といった安易な考えは徹底的に排除する必要があります。大手だからこそ、自らに有利なように、契約書の中身をがちがちに固めているものです。