金融商品取引法に関するご相談
投稿日:2017年3月15日
カテゴリ:事務所ブログ
金融商品取引法の業規制、禁止事項を巡るご相談は、昔から絶えないのですが、近時クラウドファンディングの流行にともなって、さらにご相談が増えてきました。
金融商品取引法について聞きたいんですけれども、とおっしゃるお客様の中には、一定程度、必ず、「何とかして法の抜け穴を見つけよう」という方がいらっしゃるのは、事実です。
投資助言業・代理業とほぼ同じことをやりたいのだが、登録はしていない。登録しないままで何とか、ぎりぎりのところをやっていきたい。
或いは、二種の免許を持っていないのに、何とかして、それと同等のことをしたい。…
弁護士としてのお答えが、「お控えください」となることは当然です。わたくしどもは、お客様に対する答えに責任を持たなくてはなりません。「そこをなんとか」と言われましても、脱法行為をお勧めすることは絶対にできないのです。
こういう方は、「どこからが、投資助言業の範囲として、資格が必要となるのか。どこまでならセーフなのか?」そのクリアな基準を示してほしいとよくおっしゃいます。ですが、そこに「クリアな基準」があれば、誰も苦労は致しません。ないからこそ、問題になるのですから。ですので弁護士としてのお答えはやはり、こういう例がある、ああいう例もあります、弁護士としてこういう経験もしました、経験上、グレーなことは止めた方がいいですよ、という、極めて保守的なものしかなりえないのです。この答えに歯がゆい思いをされる方もいます。しかしそこは、ご理解いただきたいところです。
一方、新しいビジネスを立ち上げたい、それには二種の免許がいるのだけれども、という方もいらっしゃいます。免許を取るか、或いは、免許を有している会社を買うか。
会社を買う、となると当然デューデリジェンスが必要になります。当事務所としては、法務DDのお手伝いをしたり或いは、スキームの適法性などについてのチェックが仕事となります。二種免許狙いのM&Aはさほど多いわけではありません。最大の問題は人的要件です。ここにしっかりと調査を入れておかないと、M&Aは失敗します。
金融商品取引法の世界は近時、ますます複雑化しています。昔、当職は、気が立って眠れない夜や疲れすぎて眠れない夜は金融商品取引法を素読しておりました。あれを読んですっと理解できる方はまずいないでしょう。あれほどややこしく理解しがたくそして、眠くなる法律もありません。素読していると、間違いなく、20分以内に入眠できます。
いずれにせよ、せっかく真剣に取り組まれる新しいビジネスであれば、あとから監督官庁に横やりを入れられたりすることのないよう、慎重のうえにも慎重に、確実に地歩を固められることをお勧めします。
■ 他の記事を読む■