弁護士の時間 お客様の時間

投稿日:2017年3月17日

カテゴリ:事務所ブログ

「ゾウの時間 ネズミの時間」という本があります。体の大きなゾウと、小さなネズミとでは、時間の流れが全く違う、という視点から、いろいろな示唆をあたえてくれる本です。
同じ人間でも、時間の流れを全く違うように感じることがあります。
弁護士に依頼をしているお客様にとっては、事件は我が人生の、我が社の、或いは大事な家族の一大事です。一秒でも早く解決したい。また、ご不安も大きいため、いったいどうなっているのか、どう進んでいるのかが知りたくて知りたくてたまらない。だから、相手方の反応を待つ間や、弁護士の作業を待つ時間が、とても長く感じられる。
一方の弁護士の方は、多くのお客様の事件を捌きながら、裁判所に行ったり交渉に行ったり、或いは文献を調査したり書類を作成したりと、それこそコマネズミのようにくるくると動き回っています。疲れ果てて事務所に帰ってくると、相手方から回答の書面や条件提示の書面などが届いている。お客様にご報告し、打ち合わせをして方針を決めなくてはならない。でももう疲れたし、まあ、明日の朝のご報告でも大勢に影響ないだろう…そう考えて眠ってしまう。一方のお客様は、今か、今か、と待っているにもかかわらず。「弁護士の時間 お客様の時間」の差異がここに出てきます。
しかし、問題は大勢に影響するかしないかではなく、お客様が不安のままで過ごす時間を、弁護士が、どれだけ短くして差し上げることができるか、です。どれだけ早くお客様を不安から解放して差し上げることができるか。そう考えれば、ご報告のメールを、或いはfaxを、一本打つことくらいはその夜のうちにできるわけです。
私たちは弁護士です。「弁護士の時間」を生きざるを得ません。しかし、お客様にはお客様の時間軸がある。そのお客様のお力になることが私たちの仕事です。
ベストなリーガルサービスの提供とは、法的に的確で正しい判断をすることはもちろんのこと、「弁護士の時間 お客様の時間」の差異を肝に銘じながら、なるべくお客様のご不安を解消するように努めていくこと、そして、ご一緒に、少しでも良い結果を求めていくことにあると、私たちは考えています。