新人法律家の誕生~二回試験を終えて

投稿日:2017年12月19日

カテゴリ:事務所ブログ

先日、二回試験(司法修習生の、司法研修所卒業試験のようなもの)の結果発表があり、今年もまた、新人の法律実務家が誕生し、社会に羽ばたきました。

私が新人だったころに比べれば、試験の制度も、法律家を取り巻く社会状況も、ずいぶん大きく変わりました。新人の話を聞くたびに、歳をとったものだと老人めいた感慨を持たずにいられません。

きっとどの新人法律家も、社会で精いっぱい活躍しようと、働きたい盛りでしょう。仕事なのですから、頑張って当たり前です。どの人もみんな頑張っています。その中で、うん、オレは頑張ったな、というためには、周囲の人の3倍、4倍頑張らなくてはなりません。周囲の誰を見ても、俺より頑張ったヤツはいない、と胸を張って言えるくらい頑張って初めて、頑張った、と言えるのです。

そして、仕事なのですから、できて当たり前です。できて褒められる。できなくても慰められる。結果じゃない、頑張ったんだからそれでいいんだよ、と慰められるのは小学生までです。弁護士は、たとえ社会人一年目であっても、お客様からは先生と呼ばれ、自分よりも年上の事務局に指示を出し、自らの判断で仕事を進めていく立場です。「知らない」「できない」という発言など論外です。

そして、プロは結果が全てです。結果を出せないとき言い訳に忙しいような人間は、プロではない。

学校で「褒められて伸びる子」だった若者の中には、仕事をしても褒められないことに不満を覚えたり、がっかりしてやる気を失う人もいます。しかし、社会では、褒められなければモチベーションを維持できないようではお話しにならない。弁護士稼業をしていれば、限られた条件の中で、客観的には最高の結果を出しても、お客様にご理解いただけずお叱りを受けることなど、たくさんある。その中でどうやって、更に上を目指していこうと自らを励まし、自らを律して、気持ちを掻き立てていくかが、問われます。

そして最後に。

体調管理は、仕事の基本中の基本です。自分の体調もきちんと管理できないような人間に、仕事の管理などできるはずもありません。急な体調不良があっても、お客様が全信頼をかけ、事件を預けているのはその、当該弁護士だけです。新人のみなさんには、どうかそのことを忘れずに、仕事に邁進していってほしいと願います。我が国の司法の明日を創るのは、先週法律家になったばかりの、若い皆さんなのですから。

 

と、説教がましいことをかくほどの弁護士なのかお前はと問われると、返す言葉もない自分に気づきます。一歩でも、半歩でも、たとえ四分の一歩でも、上へ。ロートルも気持ちを新たにして、仕事に向かいたいと思います。